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#28 To be busy is to lose one’s mind. Cherish your heart【28/500】

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#28 To be busy is to lose one’s mind. Cherish your heart【28/500】

To be busy is to lose one’s mind. Cherish your heart

忙中閑あり。心を大切にせよ。

アーティスト情報

伊藤咲穂
【略歴】
1989 島根県浜田市弥栄町 誕生
2005 広島県 呉工業高等専門学校 建築学科入学
2014 東京都 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 テキスタイル専攻 卒業
2014〜 東京都、山梨県、島根県を拠点に国内外で活動

【個展】
2017.07 「第四の自然」 art space morgenroto
2019.10 旭化成(Material : PLA) テクノロジー × ARTコラボレーション
「ReBORN -Regeneration Beyond Our Rust Notion-」 / FICTION
2020 出雲大社 奉納 / 現地制作 新型コロナウイルスの影響により延期 実施調整中
2021.07 瀬戸内海プロジェクト[SEABRIDGE]内常設
2021.11 「Circle of waves」 阪急メンズ東京
2022.2 Exhibition Domain of Art 28
 「ORIGIN」- さいたま市プラザノース
2022.7 「石州和紙 : 次世代の可能性」 展

【グループ展】
2014.07 「JOIN 展」 Jinen’ s Art Studio /麻布十番ギャラリー
2014.11 神在月・石見の神紙 (かみがみ) が舞う石州和紙デザインコンペ 石州半紙技術者会賞
2014.11 助手展 2014 武蔵野美術大学助手研究発表
2015.04 ミラノサローネ サテライト 2015 Exhibit /ミラノ
2016.04「遥かなる色、 移ろいの眼差し」/新宿京王プラザホテルロビーギャラリー
2016.07「MITSUKOSHI ART CUBE」/日本橋三越
2016.12「紙神」3人展 /東京都美術館
2017.05 東京キモノショー2017インスタレーション作品「円相」/日本橋三井ホール
2017.07 和のあかり展 インスタレーション作品「時音」目黒雅叙園百段階段2017 /目黒雅叙園
2017.11 ハイパージャパン Illuminight /ロンドンTobacco Dock
2018.05 東京キモノショー2018 インスタレーション作品「黙」/日本橋三井ホール
2018.07 和のあかり展 作品「鼓動」 目黒雅叙園百段階段2018 /目黒雅叙園
2018.07 TOKYO ILLUSION/東京幻境 /台湾 Dali Art Center Taichung
2019.07 和のあかり展インスタレーション作品「Gravity」目黒雅叙園百段階段2019 /目黒雅叙園
2019.08 「カミノシワザ」展FEI ART MUSEUM YOKOHAMA /横浜
2019.12 Emerging Tokyo Exhibition /New York White Box
2019.12 アート解放区 代官山Tenoha /Collaboration and subsidy by 旭化成株式会社 /代官山
2020.09 東京都目黒雅叙園 百段階段×tagboat 展示 「巡る」「Rust Beat」 /目黒雅叙園
2020.12 阪急 MEN’S OSAKA「STAY SHINING」インスタレーション作品「PLANET ReBORN」 /大阪

【活動】
2018.09 「彩り祭」星霜軒好み 錆和紙緑青薄器 展示 /日本橋三越
2018.09 島根県石州和紙久保田 研修(2017.09~2018.08) /島根県
2019.01 AOYAMA Treehouse 会員制BAR内プロダクト制作 /青山
2020 AOYAMA Treehouseレセプション作品制作 /青山


わたしの幼少期は、自身の存在の淋しさに支えられていたように思います。なぜなら、その淋しさの中で見た自然との時間は、森や林で眠ったり、夜中に先も見えない真っ暗なアスファルトの路面で星を眺めているうちに自然の仕組みや、その巨大さや、物質同士の穏やかな繋がりを、静けさのなかで子どもながらに「これは世界の本当のことだ」と理解したからです。
それは、半分子どもの夢物語のような稚拙な理解だったのかもしれません。しかし、その当時の感覚が過去から、そして現在、未来までのわたしをどんなに救っているかわかりません。

四季のあるこの国で、樹林が紅葉し枯れ、幾重にも表土に積み重なっていく。「何故、わたしが生まれて何年も経つのに、落ち葉が積み重なる地面はちっとも高くならないのだろうか。」その問に対する行動はとても単純で、わたしはそれから時間を見つけては森や林へ行き、地面へ寝そべりじっと表土を観察して遊んでいました。
蟻が、昨日か一昨日死んでしまったアゲハ蝶を少しずつ噛み切って運んでいる。一ミリにも満たない小さな虫が、葉っぱと土の間を蠢き回っている。秋の終わり、森や林の地面はとても甘い豊かな香りが立ちこめる。

そして、葉が微生物や虫たちによってバラバラに分解され、ついには土へと還っていくことを知ったとき、わたしにとってこれこそが世界の本当なのだ、と深い安心感と共にあったことを記憶しています。
それはとても穏やかで、静けさに満ちた瞬間でもありました。
しかし、当時のわたしにはその興奮を言葉で表現することはできませんでした。ですが、そのような自然に対する問いかけと発見が、今日のわたしの表現に繋がっていることは、わたしの精神をいつも好奇心と優しさで満たしてくれるのです。

[ 素材との出逢いから表現まで ]

大学2年生の冬、富山県五箇山にある和紙工房で楮の繊維に触れたことが契機となり、和紙や宮大工、自国の風土に深く興味を持つようになりました。五箇山の静謐な雪景色のなかで、身も凍るような水に晒された楮(コウゾ)の繊維は、ただもう美しく、和紙に対しての尊敬と懐かしい親しみを感じたのを覚えています。そして、日本の古典にこそ自分の追い求める何かがあると感じ、その精神的な部分は今の制作に大きく影響しています。近年、テーマとなるのは民族性の知覚を試みようとする「転送」と「認知」を軸とするものです。
また、古典を軸に生まれた独自の素材「錆和紙(Sabiwashi)」は作品の主材として多く使われるものの一つです。錆和紙を漉くために必要となる砂鉄は、地元島根県の河川や海で自ら採取し、原料となる楮は、石見地方で育てられたものを使用しています。幼少の頃、⾃然豊かな⾥⼭で樹⽊の葉が枯れ、分解され、⼟へと還ってゆく現象を⾒て興奮した原体験からくる自然真理の探求、若齢期にかけての人間と社会、自身と社会をテーマに表現されるもの、それら二つの統合と拡張を試み、表現することによってDNAに組み込まれた答えを探り、アートの立場から人の営みを問い、そのあり方を探ります。

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